胃腸の働きを活発にし肌のツヤとハリをよくする味覚!その名は「里芋(さといも)」

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山野に自生する芋だから「山芋(やまいも)」。
一方、里で栽培されるので「里芋(さといも)」と呼ばれるようになりました。
現在のように穀類が豊かでなかったころは、貴重な食料として活躍していたといいます。
お月見やお盆の供え物にしたり、お正月や冠婚葬祭にも欠かせない食物として、古くから大切な役割を果たしてきたのが里芋です。
里芋は人類最古の栽培植物のひとつ
熱帯アジア原産で、日本への渡来は古く、稲より早く伝わったといわれています。
人類最古の栽培植物のひとつでもあります。
『風土記』(713年)や正倉院古文書などによると、食物として以外にも、習俗や儀礼に使われていたようです。
里芋は子孫繁栄のシンボル
株の中心に大きな親芋があり、そのまわりにたくさんの小芋ができます。
これが子孫繁栄のシンボルとして喜ばれ、お正月や結婚式などで祝い料理として使われてきました。
茎(くき)は「芋茎ずいき」といい、煮物や酢の物、和え物などにして利用されます。
里芋には胃腸の働きを活発にし、肌のツヤとハリをよくする働きが
里芋には胃腸の働きを活発にし、肌のツヤとハリをよくする働きがあります。
食物繊維が豊富なので、血液中のコレステロール値を抑えたり、便秘や大腸ガンの予防にも役立ちます。
主成分はデンプンで、独特のぬめりはガラクタンやムチンと呼ばれるものです。
ムチンには胃の粘膜を消化酵素やウイルスから守って潰瘍を予防したり、老化を防ぐ唾液腺ホルモンの分泌を促すほか、肝臓の解毒を助ける作用もあります。
ムチンには、体の細胞のみずみずしさを保つ「不老効果」があるため、長寿地域では里芋を好んで食べている人が多い、といわれます。
里芋の調理のコツ
皮をむくと手がかゆくなります。
これは、えぐみのもと・シュウ酸カルシウムによるためです。
でも大丈夫。
手に塩をつけておくとかゆくなりませんよ。
ぬめりは調味料がしみ込むのを邪魔するため、煮る前に塩もみするか塩水で茹でこぼし、ぬめりをとってから調理するといいですね。
里芋はクスリとしても利用できる!
里芋にはただれや炎症を鎮める作用があることから、打ち身や腫れ、関節炎などの湿布薬としても使えるってご存知でしたか?
「やけどをしたら里芋をはっておけ」とか言われるそうです。
皮をむいてすりおろした里芋に同量の小麦粉を加え、おろしショウガ少々を混ぜます。
よく練って布などにぬり、患部に貼って、乾いたら、また新しいものに取り替えると効果的だそうです。
里芋は美味しいし、高いので、食べるほうがずっとお得ですけどね。
里芋と年中行事
月見と里芋
旧暦の8月15日は仲秋の名月(十五夜)。
月見だんごといっしょに里芋を供えることから、「芋名月」ともいいます。
『本朝食鑑』(1697年)には、「8月15日の月を賞めでるとき、かならず芋の子と、さやつき豆を煮て食べる、9月13日夜の月を賞でるとき、薄皮をつけた芋の子を“きぬかつぎ”といって栗とともに食べる」とあります。
正月と里芋
正月の供物やおせち料理、お雑煮にも欠かせないもので、正月に餅を食べなくても、里芋だけはかならず食べるという地方もあります。
『本朝食鑑』には、「正月3日間の朝、芋のかしら(親芋)を雑煮に入れて、家族一同が賞で祝う」と記されています。
「芋煮会」の主役
山形県など東北地方を中心に、各地でみられる秋の風物詩「芋煮会」。
さまざまな材料を持ち寄って河原で行なわれる「芋煮会」の主役は、なんといっても里芋です。
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